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2022.10.01

トレーラーの慣性ブレーキの注意点

峯岸です。

今回はトレーラーのブレーキについて説明致します。

ヨーロッパトレーラーは慣性ブレーキという構造になっております。

 

 

構造としては、牽引車がブレーキを掛けた時にトレーラーが押してくる事で、トレーラーのショックアブソーバーが縮みます。

 

 

定期点検時には、慣性ブレーキの作動点検も必ず実施しております。

先ほどの画像より丸印の部分が縮んでいます。

 

 

 

縮むことにより、ブレーキロッドが車両の前方向に引かれます。

 

 

ブレーキロッドが引かれると、左右のブレーキ本体に繋がっているブレーキワイヤーが引かれます。

この様にしてトレーラーのブレーキが掛かります。

 

慣性ブレーキの弱点として、下り坂を下ってくると常にトレーラーが押してくる事でトレーラーのブレーキが効いた状態になり過熱します。

 

長時間の下り坂では、エンジンブレーキを活用しながらゆっくり下りる必要があります。

それでも、長時間下ると場合によってはブレーキが過熱し周辺から白煙が出る事があります。

 

 

 

今回は、お客様より一度下り坂でブレーキから白煙出たとの事でブレーキ分解整備を行いました。

早速ブレーキドラムを外します。

 

 

ブレーキライニングを全て分解します。

 

 

ブレーキライニングを点検すると表面にクラック〈ひび割れ〉が発生していました。

原因は、やはり下り坂での極度の過熱によるものです。

このまま使用しますとクラックが酷くなり、ブレーキライニングが剥離してしまい大変危険な状態になります。

 

 

弊社では、ブレーキライニングは常時在庫をしております。

お預かり期間も短く交換作業が行えます。

右が新品のブレーキライニングになります。

乗用車の様に減って交換するよりも、トレーラーはクラックが入り交換する事が多いです。

 

 

ブレーキライニングを取り替えて元通りに組付けます。

その後は、ブレーキ調整を行い作業完了です。

 

ブレーキは重要保安部品となります。

ご自身での分解点検作業は行わないで下さい。

組付けを間違えますとブレーキが正常に作動しなくなり大変危険です。

 

一度でもブレーキが過熱した場合は、弊社にて分解整備のご予約をお願い致します。

また、冒頭のオーバーラン装置のショックアブソーバーがへたりますとブレーキがかかりません

 

しっかり点検を行い安全に走行できるようプロの整備士が点検致します。

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